10月28日(土)

第六日目。

朝が来ると、《青》はM市からいなくなっていた。

午前10時、写真家は市役所そばの港へ行き、遊覧船の整理券2枚を受け取る。

午後1時45分、再び港へ。
《青》は現れない。
写真家はひとりで午後2時発の遊覧船に乗る。
海から望むM市の緑を眺めながら、写真家は前日にナガミネさんから聞いた話を思い出す。


- - - -
※大切なお知らせ
先日の台風21号の影響で遊覧船の運行が中止となったため、このシーンは以下の内容に変更されました。
- - - -

午前10時、写真家は市役所そばの港へ行く。
だが乗るつもりだった遊覧船は、先週末の台風の影響で運行中止になっていた。

午後2時、写真家は、友人の幼馴染がやっているジェラート店を訪れる。
《青》はいないが、後で教えてやったらきっと羨ましがるだろう、と考える。

今日は午後6時55分に、ラジオから手紙は流れない。

午後9時52分、FMラジオ青の手紙が読まれる。
ラジオから流れてくるのは《青》の声だ。
写真家はひとり、彼女のメッセージに耳を澄ます。

M市にいない《青》も、どこかでこの放送を聴いているだろうか?
写真家は家の玄関先に、尋ね人の写真を貼り付ける。